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Looking for the Nostalgia

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そして僕は柳美里さんのファンになった。

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最近まで柳美里さんの作品に触れて来なかった自分は不幸だった。

元々話題性のあるモノや、引っ掛かりを感じたモノに、
その瞬間すぐに、素直に、飛び付く事が出来ないというのもあるのだけれど。

読む順番を間違えた気もするが、まぁそれは大した問題ではなかろう。

今までずっと読めなかった。
数年前に見掛けた「黒」のブックデザインにただならぬ存在感を感じ
(どこかでずっと意識していたのかもしれないが)、思わず手にした。
(装丁:中條正義さん、装画:山口藍さん)
いい加減読めって事なのか?と思い、
最初の方をちょっと読んだのだけど、すぐに目を背けた。
その当時の自分にはそれ以上先を読む勇気と絶え得るメンタリティを
持ち合わせていなかった。
今まで読めなかった大きな理由はそこにある。

最近になってやっと読んでみようかなという気に少しなれた。
読んでいて、やっぱりまだ早かったようにも思えた。
心身をかき毟られ、抉られ、砕かれるようでもあった。
圧倒的で突き抜けている表現や物語に触れると、
己が露になり対峙する羽目にもなる。
向き合うのが恐かった。
それでも多くの人と一緒で、自分にとっても読むべき物語であったのだと思うし、
読んで良かったのだと思う。

人としての生き血が迸って噴き出していた。
叫んで震えて這いつくばって涙も血も肉も骨もむき出しで
ベットリこびりついて染まった本だった。
だから痛いほどビリビリ響いた。
人間だった。
美しいと思った。

そして僕は柳美里さんのファンになった。
by shimizumigiwa | 2011-07-02 08:05 | Diary
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