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Looking for the Nostalgia

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なぜ路地裏や暗渠に心惹かれるのか

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ここ最近は、中沢新一 著「アースダイバー」を読み進めているのだが、なぜ自分が都市の地形における路地裏や暗渠に心惹かれるのかを考えている。

元は川であった道の上を歩いていて橋の跡(当時の地形の名残)を見つけたりすると、その街の変遷の文脈を感じてグッと来てしまう。以前から興味はあったわけだけど、特に強く惹かれ出したのはここ数年である。

文化住宅や古い建物が建ち並ぶ住宅地、一種異様な雰囲気を醸し出している路地裏は、基本的に、その昔は湿地帯や谷、崖下といった低い地形の場所のよう。無論、川に蓋をした暗渠も然り。(高級住宅やランドマーク的な建物などは反対に高台にある)つまり、高い大地の下、アンダーグラウンドである。

ソルジャーガレージの活動がほんのちょっとだけ表立って来たのと同時期に、アンダーグラウンドシーンで活躍する方々との交流が増えた。その人達は感度が鋭く見識が高いので、どっからそんな音源を発掘してくるの?とか、どうやって知ったの?といった、非常にマニアックで、メロディーや拍子などの概念に縛られない実験的な音楽を知っていて(実際にそういう音楽を演奏していて)、僕はかなり刺激を受けて影響された。その時期と、崖下に現れる入り組んだ路地裏の無秩序な住宅地や暗渠といった、いわゆるアンダーグラウンドな地形に、強く興味を持つようになった時期は一致する。

アンダーグラウンドな音楽シーンとアンダーグラウンドな地形という共通性から、意識がそこに向かい惹かれるのは必然であったと言えそうだ。地下水路となった暗渠などはまさにその最たるものである。

それから、湿地帯、谷、崖下という地形は、当然その昔は水辺である。そこにもう一つ僕自身との関係性が浮かび上がる。それは僕の名前にある。
清水沙。
要するに文字がすべて"水"なのだ。沙は水際(みずぎわ)という意味。まさに水辺を表している。ここにも因果関係を感じざるをえない。

特に、最近探索にハマっている新宿は、元を辿れば、淀橋の森(今の新宿中央公園の辺り)に建てられた十二社熊野神社と、その近くにできた池から発展していった街だそう。新宿の大きな特徴である歌舞伎町も元々は沼地であったらしい。(今も歌舞伎町のど真ん中には弁天様が祭られている)新宿御苑からは水がわき出て、暗渠となって渋谷川へと流れている。副都心にしても、淀橋浄水場の跡地に計画された。もちろんゴミゴミとした無秩序な路地裏は湿地帯、崖下の地形である。

アンダーグラウンドな地形と水辺といった、この大きな二つの要素が作用し、必然的に惹かれていったのではないだろうか。

そしてもう一点。
高台ではなく、湿地帯や崖下といった地形は、庶民が住む場所と言っておおよそ間違ない。
これは常々思っている事だけど、庶民の日々の営みこそ、この世界でもっとも魅力的で素晴らしいものだと思う。
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by shimizumigiwa | 2013-07-24 07:38 | Diary
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